事業場外みなし労働時間制と残業代請求について

事業場外みなし労働時間制というのは、営業担当者など、オフィスの外で働いているために、何時間仕事をしたのかを会社側が把握するのが困難であるときに、実際にどれだけ働いたのかとは無関係に、とにかく所定の勤務時間の間だけ仕事をしたものとみなすという制度です。所定労働時間が1日8時間の会社があったとすれば、この事業場外みなし労働時間制が適用される営業担当者は、仮にある日の仕事時間が実際には5時間で終わっていようが、あるいは10時間かかっていようが、とにかく全て8時間働いたものとするという制度になります。このことから理解できるように、事業場外みなし労働時間制が採用されている場合は、所定労働時間以上を実際に働いたとしても所定労働時間だけ働いたものと見なされるのですから、残業代を請求することはできません。ある営業担当者が実際には連日10時間働いていたとしても、所定労働時間との差である毎日2時間分の残業代を請求することはできない制度なのです。

ところが、現実には、その仕事の特性、内容から考えて、所定労働時間ではとうてい毎日の仕事が終わらないということもあり得ます。この場合は労働組合と協議した結果として、その会社の所定労働時間よりも多い時間を勤務時間とみなすことができます。例えばこの営業の仕事は通常1日10時間かかるから、10時間をみなし労働時間とするというように取り決めることができます。こうなれば、その会社の所定労働時間との差である1日2時間分は、残業代として請求できることになります。

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